ディーゼル自動車は燃費が良くトルクも高いという利点がありますが、日常の手軽な使い勝手を求める人には注意が必要です。
エンジンやDPFに煤が溜まりやすくなり、エンジンの出力低下や異音、排気異常などの症状が現れることがあるからです。
そのため、定期的なメンテナンスや運転スタイルの見直しが重要です。
ディーゼル車を選ぶ際には、メリットだけでなくデメリットもしっかりと理解し、適切な対処法を知っておくことが、安心で快適なカーライフを送るため必要になります。
■使い勝手のいいディーゼル車ですがその特性は?
燃料費が安く済む
ディーゼルエンジンは、ガソリンエンジンに比べて燃焼効率が高く、同じ距離を走る際の燃料消費量が少ないです。
また燃料単価も軽油は、リッター当たりレギュラーガソリンよりも20円ほど安いです。
力強い走り
ディーゼルエンジンは、低回転域から高いトルクを発揮する傾向があります。加速や登坂時に力強い走りを実現します。
耐久性の高さ
ディーゼルエンジンは、構造がガソリン車よりもシンプルで頑丈であり、長期間の使用にも耐える特性があります。
エンジンの寿命が長いとされています。
長距離走行の利点
ディーゼル車は高速道路や長距離走行時には特に効率的であり、煤が溜まりにくいという利点があります。
長距離を走る機会が多い方にとっては、ディーゼル車の利点がより際立つことでしょう。
■使い勝手のいいディーゼル車ですがその注意点は?
煤の溜まりやすさ
ディーゼルエンジンは燃料として軽油を使用し、その燃焼過程で煤が発生します。
この煤がエンジン内部やDPF(煤除去フィルター)に溜まると、エンジンの調子が悪くなります。
特に短距離走行や低速走行が多いと、煤がより多く溜まりやすくなります。
車両価格が高め
ガソリン車と同等の車種と比べて、燃料噴射装置やDPF、SCR装置など付属装置が必要なため、車両価格が高くなる傾向があります。
騒音や振動が大きい
エンジン音が大きく、振動も大きめです。
近年は技術向上により静粛性が改善されていますが、ガソリン車に比べると劣ります。
独特な臭いがある
排気ガスに、少し刺激的で独特な臭いがあります。
ディーゼル車が向いている人
ディーゼル車は、以下のような人におすすめです。
長距離運転が多い人
燃費の良さを活かすことができます。
トルク重視の人
力強い加速や坂道走行を楽しみたい人におすすめです。
きちんとメンテナンスができる人
煤対策などのメンテナンスを、面倒臭がらずできる人におすすめです。
ディーゼル車が向いていない人
ディーゼル車は、以下のような人におすすめできません。
短距離走行が多い人
煤が溜まりやすく、燃費が悪化する可能性があります。
静粛性を重視する人
エンジン音が大きく、振動も大きいため、静粛性にこだわる人には不向きです。
メンテナンスに時間が取れない人
煤対策などのメンテナンスに時間が取れない人、面倒臭がる人にはおすすめできません。
ディーゼルエンジンのメンテナンスについて
ディーゼル車の場合、定期的なメンテナンスが非常に重要です。
エンジン内部の煤を除去するディーゼルエンジン専用のメンテナンスや、燃料フィルターの交換などが必要です。
またSCRシステムを搭載する一部の車種では、アドブルーの管理も必要になります。
これらの作業を怠ると、エンジンの寿命や性能に影響を及ぼす可能性があります。
煤が溜まるとどうなる?
煤がエンジン内部やDPFに溜まると、以下のような問題が発生します。
出力の低下
エンジン内部が煤で詰まると、燃焼効率が低下し、エンジンの出力が低下します。
加速が鈍くなったり、速度が遅くなったり、パワー不足を感じられることがあります。
燃費の悪化
エンジン内部に煤が貯まると、燃費が悪化する傾向があります。
同じ距離を走っても、ガソリンの消費量が増えるなどの症状が現れます。
白煙や黒煙の排出
煤が溜まると、排気マフラーから白煙や黒煙が排出されることがあります。
特に加速時や、負荷がかかった際に、顕著になることがあります。
エンジンの振動や揺れ
煤が適切に燃焼されないと、エンジンの振動や揺れが増加することがあります。
特にアイドリング時や、低速走行時に感じやすくなります。
エンジンの異音
煤が原因でエンジン内部の部品に異物が付着し、異音が発生することがあります。
例えば、ノッキング音や不規則な音がする場合があります。
エンジン内部やDPFに煤が溜まることを防ぐためには、長距離運転を定期的に行うことが重要です。
高速道路などでエンジンをしっかり回すことで、煤を燃焼し排出することができます。
SCRシステムってどんな装置?
従来のディーゼル車は、NOxを削減するためにハニカム構造のディーゼル酸化触媒(DOC)とDPF(煤除去フィルター)を使用していました。
しかし、これらの装置だけでは、十分なNOx削減効果を得ることができませんでした。
そこで、より効果的なNOx削減技術として、アドブルーを使用したSCRシステムが導入されました。
SCRシステムは、NOxを90%以上削減することができ、環境負荷を大幅に低減することができます。
また、DPFの詰まりを防ぐ効果も期待できます。
アドブルーってどんな液体?
アドブルーは、高品位尿素水(純水67.5%、尿素32.5%)を主成分とした無色透明の液体で、SCRシステムと呼ばれる排ガス浄化装置に使用されます。
このシステムは、ディーゼル車から発生する有害物質である窒素酸化物(NOx)を無害な窒素(N2)と水(H2O)に変換し、大気汚染や酸性雨を抑制する役割を果たします。
アドブルーの使用量は?
アドブルーの使用量は、車種や走行距離によって異なりますが、一般的には1000~2000km走行あたり1L程度です。
アドブルーが少なくなると、メーターパネルに警告灯が点灯しますので、早めに補充する必要があります。
アドブルーの注意点は?
アドブルーが空になってしまうと、エンジン始動ができなくなってしまいます。
もし走行中に空になってしまったら、エンジンを切らずに、ガソリンスタンドなど取扱店まで走り続けましょう。
また気温が零下11度以下になるような寒冷地ですと、尿素水に結晶化がみられることがあります。
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まとめ
ディーゼル車は煤を排出するため、適切に煤を管理する考えを持つ必要があります。
その第一歩は、高速道路などでエンジン回転を高めに走り続けることですが、たまにしか高速を使わない、という方もいます。
近くのコンビニや郵便局に行ったりするのに乗るのがほとんど、という方は、非常に煤を溜めやすい乗り方です。
エンジンの調子が悪くなる前に、定期的なメンテナンスをするようにしましょう。