アイドリングストップ車のオーナーの皆さん、日々のメンテナンスは大事にされていますか?
「アイドリングストップ車のバッテリー交換、値段を見てビックリ! なんでこんなに高いの?!」
確かに、従来のバッテリーに比べて、アイドリングストップ車専用のバッテリーは高価です。
しかし、そこには重要な理由があるんです。
「アイドリングストップ機能、ウザいからオフにしてるし…」
「バッテリー交換、安いもので大丈夫でしょ…」
「専用バッテリーは高価だから」と、通常のバッテリーで代用を考えていませんか?
実はそれ、思わぬトラブルを招く危険な選択かもしれません。
アイドリングストップ車用バッテリーが高価な理由
過酷な環境に耐える、タフさが違う!
アイドリングストップ車は、信号待ちなどの度にエンジンが停止・再始動を繰り返します。
そのため、バッテリーには、従来のバッテリーとは比べ物にならないほどの負荷がかかっています。
頻繁な充放電への耐久性UP!
アイドリングストップ車は、通常の車に比べて、バッテリーの充放電の回数 が格段に多くなります。
アイドリングストップ車専用バッテリーは、この過酷な使用状況に耐えられるよう、充放電サイクル寿命が大幅に改善されています。
瞬発力が求められる!
エンジン始動の度に、大きな電流を瞬時に供給する必要があります。
アイドリングストップ車専用バッテリーは、高い出力性能を持ち合わせています。
急速充電の必要性
アイドリングストップ車では、エンジン稼働中にバッテリーを急速に充電する必要があります。
この急速充電に対応するため、アイドリングストップ用バッテリーは、特別な内部構造や化学組成(充電受入性が高い)を持っています。
これにより、充電の効率と耐久性を高めているため、コストが高くなります。
耐久性と長寿命設計
頻繁な充放電に対応するため、アイドリングストップ車用バッテリーは高い耐久性が求められます。
従来のバッテリーでは、寿命が短く、交換サイクルが早まるため使用に適しません。
耐久性を高めた構造や素材の選定によって、これらのバッテリーは長寿命化されています。
新技術の導入や、高品質素材の使用が、価格に反映されています。
高性能な制御システム
アイドリングストップ車のバッテリー管理には、通常のバッテリーよりも高度な制御システムが搭載されています。
バッテリーマネージメントシステムが、各セルの状態をきめ細かく監視し、劣化を防ぎます。
また、バッテリーが劣化していると判断したら、アイドリングストップ機能を停止します。
これは、信号待ちなどでアイドリングストップしたあとに、エンジンが再始動できずに立ち往生する(動けなくなる)のを防ぐためです。
単にバッテリーの充電が不足している場合や、空調の稼働を優先している場合も、アイドリングストップしないことがあります。
また、オイル類や冷却水の温度が低すぎるときも、アイドリングストップしないことがあります。
こういった制御システムにより、バッテリーの性能を最適化し、寿命を延ばすことが可能となっています。
安定した電力供給が行えるよう蓄電量が大容量
アイドリングストップ非搭載車は、常にオルタネーターが発電していますが、アイドリングストップ搭載車は停止時にエンジンが止まるため、電装品を動かすのはカーバッテリーのみです。
停車時にエアコンやオーディオなどに安定した電力供給が行えるよう、蓄電量も大きくなっています。
発電機が違うから、専用バッテリーが必要
アイドリングストップ車は、エンジンが停止と始動を繰り返すため、電気を作り出す発電機にかかる負担が大きくなる、という側面も持ち合わせています。
そこでアイドリングストップ車専用の発電機が、開発されました。
この発電機は、短時間での急速充電に対応しており、通常の発電機より高効率で高出力になっています。
通常の車の発電機との違いを、詳しく見ていきましょう。
アイドリングストップ車専用発電機の特徴
高い始動性能
アイドリングストップ車専用の発電機は、エンジン停止後の再始動時に迅速に必要な電力を供給できるよう設計されています。
頻繁な再始動を繰り返しても安定して始動できるよう、通常の発電機よりも強力な発電能力を持っています。
耐久性の強化
アイドリングストップシステム付きの車では、発電機が通常よりも頻繁に負荷をかけられることになります。
そのため、専用発電機は耐久性が強化されており、長期間にわたり高いパフォーマンスを維持できるように設計されています。
充電制御の最適化
このシステムでは、バッテリーの充電状態を検知し、最適な充電を行います。
通常の発電機は一定の速度で充電を行いますが、アイドリングストップ車専用発電機は、状況に応じた充電戦略を持っているのが特徴です。
充電制御システムも特別に設計されており、通常のバッテリーではこの高負荷の環境に耐えることができません。
アイドリングストップ車に普通のバッテリーを使用してはいけない理由
アイドリングストップ車が普及する中、そのバッテリーの値段の高さに驚く方も多いことでしょう。
一部のドライバーの中には、コストを抑えようと、アイドリングストップ機能をOFFにして普通のバッテリーで代用しようと考える方もいらっしゃいます。
しかし、これには大きなリスクが伴います。
バッテリーの寿命が著しく低下
アイドリングストップ車に普通のバッテリーを使用すると、その頻繁な充放電にバッテリーが耐え切れず、寿命が著しく短くなります。通常のバッテリーは、アイドリングストップ車が要求する高い充電頻度や出力に設計上対応していないため、高負荷がかかる度に内部の劣化が急速に進行します。
実際にアイドリングストップ車に普通のバッテリーを使用した例では、新品バッテリーが1年で寿命になってしまいました。
通常使用の1/4〜1/5ほどの寿命になってしまったため、結果的に専用バッテリーを使用したのと、コスト的にほとんど変わらない結果になりました。
エンジン始動、電装品の動作が不安定
バッテリーが適切に機能しないと、頻繁なエンジンの始動が必要なアイドリングストップ機能が期待通りに作動しません。
これにより、燃費の悪化や、最悪の場合、走行中に突然エンジンが停止してしまうリスクを伴います。
また、適切な電力を供給できず、車両の電装品の動作が不安定になります。
発電機への負担増加
通常のバッテリーを使っていると、充電受入性が高低いため、発電機が過度の負担を強いられます。
修理や交換が必要なほどのダメージを、受ける可能性があります。
これもまた、高額な修理費用につながります。
なぜアイドリングストップ機能をオフにしても専用バッテリーが必要なのか
アイドリングストップ機能をオフにしても、車の電気系統はアイドリングストップ用に設計されています。
そのため、専用バッテリーもこの一環として重要です。
具体的には以下の通りです。
充電特性の違い
アイドリングストップ用のバッテリーは、特別な充電サイクルと制御に対応しています。
通常のバッテリーでは、この充電プロファイルが対応しきれないため、機能をオフにしても不安定な運用につながります。
車載コンピュータの制御
現代の車は多くのコンピュータによって制御されていますが、これらのシステムは専用バッテリーの特性およびその動作を前提に設計されています。
カーナビやエアコンなど、様々な電装品を安定して作動させるためには、安定した電力供給が不可欠です。
アイドリングストップ用のバッテリーを使用することで、これらシステムが最適に機能します。
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まとめ
アイドリングストップ車用バッテリーが通常のバッテリーに比べて高価な理由は、その設計と素材にあります。
頻繁な始動に対応するための強化された耐久性と急速充電能力、そして高度な制御システムが、そのコストに結びついています。
アイドリングストップ車に普通のバッテリーを代用することは、短期的なコスト削減にはなるかもしれませんが、長期的には多くのリスクと高い修理費用を招く可能性があります。
頻繁な交換や、思わぬトラブルによる出費を考えると、長い目で見れば、専用バッテリーを選ぶ方がお得と言えるでしょう。